ギブス
その、目の前で…倒れた身体を…

軒下から、這い出て…覗き込んだ…


「あ〜ぁ…、見られちゃったか…」


…と、その声が…頭の上からし…、顔を上げ、見上げた…


口元に着いた…血を制服の袖口で拭いながら、苦笑いを浮かべている少年…


目線を合わせるよぅに…地面に片膝をつき…

顎先を引き寄せ…、その容姿を月明かりに照らし…


「何だ…まだ子どもじゃん…」


その、少年を…目の当たりにした瞬間…

先程よりも…、頬が紅潮していくのが分かった…
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