ギブス
『…っな…っ』


またしても…、空いた口が塞がらない柚葉…

その、柚葉の反応に…諒は、笑い声を上げ…


「誰が…、お前の言うコトを信じるんだ…っ」


『…っえ…っ』


…と、聞き返した柚葉に、諒は読んでいた資料を閉じながら…


「昨日…、俺にキスされた…って、言って…誰が信じるかっ…て、聞いてるんだ…」


『……っ』


「第一…、お前に…話す度胸、なぃだろっ」


『……っう…』
【…確かに…、そぅだ…

あたしが…、そんなコトを話した所で…

誰が信じるのっ


…誰も…、信じてなんかくれないょ…っ】


その、諒の言葉に…

柚葉は、こらえていたはずの涙が…溢れだしそぅになった…


『…返して…ください…っ
誰にも…言いませんから…』


そぅ…、柚葉は、瞼を伏せ…諒に頭を下げた…
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