ギブス
「…柚葉ちゃん…っ」


『っそんなはずありません…っ
先生は、そんなコト…っ
奏さん、実の弟なのに…何でそんなコト…言うんですかっ
何で…、心配じゃなぃんですか…っ
ソレに…、先生も…あたしのコト…っ』


「だったら…何で、いきなりいなくなってんだよっ
諒にとっては…、柚葉ちゃんは…ただの生け贄だったんだよ…っ」


そぅ…、言うなり…

奏は、柚葉の腕を引き寄せ…、その唇を塞いだ…


『……っ』


瞬時に、襲う…嫌悪感…



柚葉は、再び…奏の胸元を押しのけ…、すぐ様、その頬に平手打ちを食らわした…


「っ柚葉ちゃ…っ」


目の前の柚葉は、奏を睨みつけながら…

触れられた唇を…、手の甲で拭い去りながら…


『…らなぃで…っ』


「…え…っ」
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