ギブス
「どぅしたら…、諒に捕らわれた君を解放出来るの…っ」


『……っ』


気持ちが…、揺らいだ…

その、奏の言葉が…、穴の空いた…空洞を埋めていくよぅな…温もりを感じた…


『……っ』


…が…、その瞬間に…脳裏に思い浮かんだ人…

自分の気持ちを…占める人物は…

たった…1人しかいなかった…



柚葉は、その瞳を奏に向け…



『奏さん…』


先程よりも…穏やかな声で、名前を呼ばれた奏は、柚葉に視線を向ける…


『…あたしの…、心の中に生き続けてる人は…、たった1人です…
誰も…、代わりになんかなれません…
…ごめんなさい…』


…と、奏に背中を向け…歩いて行く柚葉…


「柚葉ちゃん、」
〔人の気持ちなんて…

時間が経てば…変わるのに…

諒だって、きっと変わってるはずなのに…


何で、そんなに頑ななの…っ〕



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