ギブス
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自宅までの数十Mを足早に歩いた…息が上がってしまう程に…


『……っ』


勢い良く…開けた玄関のドアの前に…、ちょうど帰宅したばかりの…兄の裕喬がいた…


「っ柚葉っ! どぅしたんだよっ?」


…と、即座に泣き出しそぅな表情をしている柚葉に気がついたよう…

柚葉の顔を覗き込みながら、聞いてきた…


その、裕喬の対応に、柚葉はすぐ様、顔を背けながら…、裕喬の横を通り過ぎ…


『…何でもないから…、ほっといて…っ』


そぅ、何の感情も込もっていなぃかのよぅな声音でそぅ言っていた…

その柚葉の言葉に、裕喬のため息が漏れ聞こえた…


「いい加減…、機嫌、直せよ…
謝ってんじゃん…」

『……っ!』


その、裕喬の言葉に、カチンときた柚葉は、裕喬の方を振り返り…


『…“謝ってんじゃん”…って…、謝って済むコトじゃないよ…っ!
あたし…、血の繋がりはなくても…ホントのお兄ちゃんだと思ってたのに…っ!
裏切られたみたぃで…、あたしがどれだけ傷ついたか…っ
何で、分かってくれないのっ?
ナニもなかった…かのよぅに言うの止めてよっ!』


そぅ、再び…泣き出しそぅになりながら言った柚葉に、裕喬は再び重苦しいため息を吐き…


「でも…、俺、お前のコト、好きだし…
いま、お前の心の傷は、俺とのコトより…アイツのコトだろっ?」


その、兄の口から発せられた…“アイツ”と言う言葉に、一瞬にして鼓動が早まった…



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