ギブス
「っ柚葉っ!」


裕喬の声を無視し…、部屋に着くなり、部屋のドアを閉め…そのままフローリングの床に座り込んだ…


『……っ』


次第に…、次から次へと…涙が溢れ出しそうになる…

柚葉は、制服の上着ポケットに手を伸ばし、その中にいつも忍ばせているブレスレットを出し、両手で握りしめた…

ソレは、初めて結ばれた日に…諒からプレゼントされたブレスレットだった…



『…っ先生、逢いたいよぅ…っ』
【…何で…、何で…

…いなくなっちゃったの…っ?!


あたしが…、パソコン見たから…っ?


ただ、…誰より側にいたかっただけなのに…っ】


その、ブレスレットを握りしめながら泣いた…


…が、その次…に、感じた違和感…


ブレスレットを、入れてある右側の上着ポケットには、ブレスレットしか入れてなかったはずだ…

…が、柚葉の手の中にあった…もぅ1つの違和感…

右手を開いてみた…その手の平には…、諒から貰ったブレスレットと…


『…っえ…っ?』


その手の平には、小さな薄い水色の石がはめられたシルバーリングがあった…


一瞬…に、して…涙も止まりそぅな衝撃…

柚葉は、そのリングを見つめたまま…両目をパチクリさせる…

コトの状況が、うまく理解出来てはいない…



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