ギブス
「…キスも…まだまだだな…っ
まぁ、子どもだから…仕方がなぃ…か…」


…と、唇が離したアトに言った諒…


覆い被さっていた身体を…、柚葉からどかした諒に、柚葉も身体を起こした…


『…だ…って…っ』
【…“まだまだ”…って…

初めてだったんだもん…

当たり前じゃん…っ】


そぅ…、微かに頬を膨らませた柚葉は、自分を見つめていた諒の視線に気がつき…瞬時に首を傾げた…


『…先生…っ』


「…しつけがぃがある…」


『…“しつけ”…っ』


「…そぅ。
君も…、俺のコトが好きなのなら…俺の要求に応えなぃとね…っ」


…と、柚葉の頭を撫でながら言った諒…


そぅ…、再び…口づけを重ねた諒…


『っん…っ…あ…ん…』
【その、瞳に…捕らえられた瞬間から…恋に堕ちていた…

6年前の…、あの瞬間から…



その、柚葉の口元から漏れた声…

…に、笑いかけた諒…


「…“禁じられた花”…」


…と、突然…口にした諒の言葉に、思わず首を傾げた柚葉…


「昼間やった…香水の意味…
ヘップバーンの為に作られた香水がモチーフで…、彼女が…“自分以外に使わないよぅに…”…と…」


『…“ヘップバーン”…って、オードリー・ヘップバーン…っ』


「そ、知ってる」


『…うん、お母さんが好きだって…、言ってた…
…“禁じられた花”か…』
【…何か…、‘特別だ…’…って…

言われたよぅな…カンジ…っ】
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