ギブス

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「……っ」


ダイニング・ルームの壁に掛けられた時計を見上げ、１つため息をついた裕隆…

その、時計の針が21時を過ぎていた…


その時…、自宅の電話のベルが鳴り響き…裕隆は、慌てて…その電話に出る…


「…っ柚葉かっ」


…が、その電話の主は…


《…っあ、あの…裕隆さん…
柚葉…、まだ…戻って来ませんか…っ》


…と、電話の耳元で聞こえた少女の声に…、裕隆は肩の力が抜けていくよぅな感覚がした…


「ソレが…まだ…
俺も…、あのアト、校内を一回りしてみたけど…っ」


そぅ、言った…

裕隆の言葉のアト、受話器の向こうの紗理奈は、少しの沈黙のアト…


《…あたし、聞いてみたんです…。
櫻井先生に…、
でも…、先生も…何も知らないみたぃで…》


…と、言った…紗理奈の言葉…

普段なら…、そんなコトを気にはしないが…

裕隆は、紗理奈が言っていた…教師のコトが気になりだしていた…


「…大丈夫だょ…っ。
その内、ひょっこり…帰って来るはずだから…っ」
〔…櫻井…っ

新任の世界史の…っ〕



紗理奈を、どぅにか…落ち着かせ、受話器を置いた裕隆…


その時、自宅のインターフォンが鳴り響き、裕隆は慌てて玄関へと向かった…