ギブス
「あら、わざわざお出迎え
悪いわね、裕隆くん…」


…と、買い物袋を下げた柚葉の母・瑤子だった…


「っあ、お義母さん…っ」


…と、微かにため息を漏らしながら…言った裕隆に、瑤子は首を傾げながら…


「…どぅしたのっ」


そぅ…、微かに首を傾げながら…聞いて来た瑤子…

いつまでも…、隠し通せるモノではなぃ…


「…柚葉が…、
学校から戻って来なくて…っ」


その、裕隆の言葉に…一瞬にして…、顔色が青ざめていく瑤子…


「だって…、もぅ…21時過ぎ…っ」


裕隆は、1人で…柚葉を探している間中、思い描いていた予想を…

言いかけた…その時…


「まさか…、あの時の犯人に…っ」


瑤子が、その言葉を口にした…


「…お義母さん…っ」


「あの子…、6年前に…女の子が殺された現場にいたのよ…
柚葉は、相手のコトを…顔も覚えてなくても…
相手は…っ」


「…柚葉が…、あの時の犯人と…っ」
〔…一体、何処で…っ


あのアト、一時的に記憶を失った柚葉…

あの事件に関する記憶は…

目の前で、女の子が倒れた…程度の記憶しかない…

体内に…、血液が一滴もなかった…と、説明しても…

何処か、他人事で…


その部分だけ…、記憶がないのだ…と…


柚葉が…、突然、記憶を取り戻した時に…混乱すると思って…

家族揃って…、引っ越したのに…



柚葉は、相手の犯人のコトを忘れ、覚えてなかったとしても…

相手はっ

柚葉の記憶がないまま…だと、知らずに…接触している…と、したら…っ〕
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