ギブス
その…、よくない予感が…脳裏に駆け巡る…


その、色素を欠いた裕隆の表情を、瑤子は見上げながら…


「…大丈夫よ…、きっと…
友達のトコにでもいて…時間を忘れちゃったんでしょ…っ」


…と、無理に笑顔を作っているかのよぅに、見える瑤子…

そぅ言った…瑤子の表情に…


「……っ」
〔…義母さんは…

きっと…、俺以上に…心配しているはずだ…〕


…と、思い…

裕隆も、瑤子に笑いかけながら…


「…そぅ…ですよね…っ」


「裕隆くんは、柚葉のコトとなると周りが見えなくなるんだから…っ
母親としては、嬉しいけど…ね…」


瑤子は、裕隆にそぅ言うと…そのまま、ダイニング・ルームに入って行った…


「………」
〔…そぅ…だよな…っ

…柚葉にも、紗理奈ちゃん以外の友達ぐらい…

恋人が、いても…可笑しくない年だ…〕


そぅ、思いながら…

裕隆の脳裏に、柚葉が自分の知らない男の側にいる場面を想像し…、言いよぅのない感情に支配された…


自分ですら…、気付かない内に芽生えた感情に…
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