ギブス
柚葉の問いかけに、裕隆もよぅやく柚葉の前の席に腰を下ろし…


「…あぁ、いぃから…早く、食っちゃえょ…」


…と、柚葉の目の前に、焼きたてのトーストと目玉焼き・サラダを差し出した…

ソレを目の当たりにした柚葉は…


『お兄ちゃん…、今からでもお嫁さんになれそぅだね…』


…と、満足気に微笑んだ…


「っ馬〜鹿…っ!
こんな手のかかる妹がいるのに…っ
…って…、俺は、嫁には行かない…っつーか、行けなぃっ!
男が嫁に行けるかっ!」


その裕隆の言葉に…、ケタケタと笑い出した柚葉…


そして…、柚葉は、裕隆が作った朝ご飯を食べ始めていた…

その、柚葉の様子を眺めている裕隆の視線に気づき、柚葉は手に持っていたフォークを止める…


『なに?お兄ちゃん…っ』


そぅ…、微かに首を傾げながら聞いた柚葉…


「いゃ…、お前が…高校生になっただなんて死んだ親父も見たかっただろぅな…って…
あんなにプチ家出ばっかしてたのにな…っ」


…と、言った裕隆の言葉に、柚葉は、微かに頬を膨らませた…


「でも、あの…女の子が殺されたのを見てから、も…6年経つなぁ〜…って…
あの時の犯人も捕まらないままだし…っ」


…と、テーブルに頬杖をつきながら、裕隆は言った…
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