雪色野薔薇
戸惑い
きっかけはささいなことだった。
6月10日金曜日午後2時14分。
岩根中学の2年2組はミチルの担当のクラスで
5学時目の国語の授業が進んでいた。
昼食が済んで眠くなる時間帯だ。
クラスはだらけた雰囲気が漂っていた。
ミチルはその雰囲気を活性化するように
凛とした声で教科書を読んでいた。
「では、田中さん次の文章を読んで」
教科書の陰で生徒の田中美穂が何かやってるな・・・
察知したミチルはすかさず美穂を指名した。
「え・・・とあの・・・」
美穂はどぎまぎしてすぐに起立しなかった。
ミチルは彼女の机の脇に立ち、ケータイを隠そうとした、
その手をつかんだ。
「ケータイは今年の4月から持ち込み禁止になっていますよ」
静かに言ってミチルは美穂のケータイを取り上げた。
クラスがざわついた。
・・・ちょっと・・・美穂ばっかじゃね?
「これは預かっておきます。明日から持ち込まないように」
「でも先生、学校の帰りは塾で遅くなるのでケータイが無いと親に連絡つかないんです」
「りゆうはどうあれ、規則は規則です。それに授業中どこにメールする必要があるんです
か?」
美穂は黙ってうつむいた。
「でも・・・あの、ほかの人だって持ってきています」
「他の人って誰と誰ですか?」
・・・うそだろー・・・ほんとばっかじゃね?
まさかばらすつもりなのかな・・・
他の生徒たちがささやきあった。
「それは・・・あの・・・」
「とにかくこれは預かります。放課後取りに来るように。」
美穂は泣き出した。
「泣くことはないでしょう?自分のしたことを反省しなさい」
ミチルはそういって、何事もなかったかのように授業を再開した。
6月10日金曜日午後2時14分。
岩根中学の2年2組はミチルの担当のクラスで
5学時目の国語の授業が進んでいた。
昼食が済んで眠くなる時間帯だ。
クラスはだらけた雰囲気が漂っていた。
ミチルはその雰囲気を活性化するように
凛とした声で教科書を読んでいた。
「では、田中さん次の文章を読んで」
教科書の陰で生徒の田中美穂が何かやってるな・・・
察知したミチルはすかさず美穂を指名した。
「え・・・とあの・・・」
美穂はどぎまぎしてすぐに起立しなかった。
ミチルは彼女の机の脇に立ち、ケータイを隠そうとした、
その手をつかんだ。
「ケータイは今年の4月から持ち込み禁止になっていますよ」
静かに言ってミチルは美穂のケータイを取り上げた。
クラスがざわついた。
・・・ちょっと・・・美穂ばっかじゃね?
「これは預かっておきます。明日から持ち込まないように」
「でも先生、学校の帰りは塾で遅くなるのでケータイが無いと親に連絡つかないんです」
「りゆうはどうあれ、規則は規則です。それに授業中どこにメールする必要があるんです
か?」
美穂は黙ってうつむいた。
「でも・・・あの、ほかの人だって持ってきています」
「他の人って誰と誰ですか?」
・・・うそだろー・・・ほんとばっかじゃね?
まさかばらすつもりなのかな・・・
他の生徒たちがささやきあった。
「それは・・・あの・・・」
「とにかくこれは預かります。放課後取りに来るように。」
美穂は泣き出した。
「泣くことはないでしょう?自分のしたことを反省しなさい」
ミチルはそういって、何事もなかったかのように授業を再開した。