元締秘伝帖(足跡残しの術の巻)
ヴァンパイアについて語るには、やはりまずメジャーなヴァンパイア「ドラキュラ伯爵」について語らねばなりますまいて。
ドラキュラ伯爵のモデルは、実在したトランシルバニア領主「ヴラド・ツェペッシュ卿」。
もちろん普通の人間。
彼は優秀な領主で、民衆のために善政を尽くした。
戦争では、民衆と領土を守るために自ら前線で戦ったとも言われている。
ツェペッシュ卿は他国の兵士には容赦なかった。
勝利の証として、槍で串刺しにした無数の他国兵士の死体を地に並べて祝杯を挙げたという伝説がある。
その行いから、彼についたあだ名は
「串刺し卿」。
ツェペッシュ卿の死から何年かが経過し、小説家ブラム・ストーカーがツェペッシュ卿の伝説に着目、アレンジして書いた作品が
「吸血鬼ドラキュラ」。
この小説がヒットしたのを機に、吸血鬼=ヴァンパイア=ドラキュラというイメージが世間に定着したという。