元締秘伝帖(足跡残しの術の巻)
 
「霊幻道士」


厳密にはヴァンパイアでは無いが、登場するモンスター・キョンシーに襲われた者はキョンシーになってしまう設定や、英題が「ミスター・ヴァンパイア」なので紹介。


キョンシーは、この世に未練を残した者が死体で動き回って人を襲うという、日本の怨霊に近い性質。

棺の中で爪や髪が伸びる死体はキョンシーになるという。

爪や牙に毒(怨念が毒化したもの)を持ち、それらによる攻撃を受けた人は生きながらにして死後硬直が始まり、爪と牙が伸び始め、数日後にキョンシーになってしまう。

活動するのは夜。
両掌を下に向け、両腕を前に地面と水平に上げて、膝を曲げずに跳躍しながら移動する。

キョンシーが影を踏んだ者を金縛りにし、かかとの下に爪先を入た者に乗り移ることができる。
(取り憑かれた者は、爪先立ち状態になる)

また、キョンシーは目でなく吐息を感知して人を襲う。

銃弾は効かず、刃物が弾かれるほどの強固な肉体である。


退治方法は、中国の宗教の一種・道教に基づいたものが多い。

一番有名なのは額に魔封じの札を貼る(活動を停止させる)。

他に、桃の木から作った木刀(ダメージを与える)、八卦の描かれた鏡「当天」(キョンシーは鏡を見せられると苦しむ、乗り移られた者から追い出す)、鶏の血を混ぜた墨汁(お札に文字を書く他、墨を浴びた部分は燃える)、もち米(毒を浄化する)、銭剣(中国の魔よけ)などが有効。


ヴァンパイア映画というよりはカンフー映画という印象が強い。

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