ギャップ的恋愛論
………ゔゔっ!?
ダサ眼鏡の奥から現れたのは、やっぱりというか予想通り、あの切れ長の瞳で。
「これならわかるか?」
その瞳の中には、半ベソかいてるあたしの顔が映り込んでいる。
「か、髪は?
怜二と全然違うじゃないっ」
「ああ、これ?
スプレーで染めてる」
「れ、怜二はそんなに姿勢悪くなかったもん…っ…」
もう完全に怜二だとわかってるのに、どうしても認めたくなくて、
あたしが肩に置かれた手を無理矢理引きはがすと、神木はやれやれって顔をして言った。
「そんなに信じられないなら、着いて来いよ…」
………へっ…!?
そしてあたしの手を乱暴に握ると、また前を向いて歩き出す。
まるでこの前を再現するかのような状況に、あたしもふらふらしながら足を動かした。
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