ギャップ的恋愛論
時刻はもう9時過ぎ。
しかも金曜日の繁華街は、仕事帰りのサラリーマンや若者で溢れ返っている。
美容師だけあってすごくお洒落な優歌さんは、その人波を慣れた感じで避けながら、にこやかにあたし達を振り返った。
「この前お客さんに教えてもらったイタリアンの店でいい?」
「なんでもいい!」
あんなにお菓子を食べたのに、朋歌はお腹が減ってるようで、キラキラと目を輝かせた。
しかも「そこの店員、イケメン揃いなんだって」という優歌さんの言葉に反応して、さらにテンションアップしたみたい。
スキップしてるし……
そんな2人の後を着いて行くあたしはというと、変身した自分が周りに変な目で見られているんじゃないかと気になって仕方ない。
ミディアムボブになった髪をひたすら触っていた。
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