ギャップ的恋愛論
この動揺も、アイツが不意打ちで店に来たからであって。
しかも見た目が全然変わってたからであって……
そういえば、なんでわざわざアイツはギャップを失くしたんだ?
あのまま、“イケイケ女”の鎧を身にまとっておけば、不用意に近づく男も居なくて、俺だって安心して見れたのに……
って、“安心”って何だよ!
“安心”って!
あー!もうイライラする!
悠紀が変な事言い出すから、こっちまで頭が変になっちまったじゃねぇか!
ダメだ。
こんな気持ちでホールには出れねぇ。
しかも明日は引越しだし。
って事で、俺は賢吾さんに頼み込んで早退させてもらう事にした。
「すみません。俺の変わりに悠紀の馬鹿をこき使ってやって下さい。
お疲れっした!」
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