ギャップ的恋愛論




「…あっ、あのっ、なんであたしの名前知ってるんですか!?」






やっと出てきた言葉がこれ。
声は自分でも笑えるくらい裏返ってるし。






ああ…情けない…







あたしの突然の切り返しに驚いたのか、その切れ長の瞳が一瞬見開いたように見えたけど、すぐに元の表情に戻っていた。







「名前?ああ…
だって呼ばれてただろ?『乙葉ちゃん』って…」






ドッキーン!






さっき呼ばれた時は何ともなかったのに、今はその口から自分の名前が出た事に激しく動揺するあたし。







バクバクバク……







もうあたしの心臓持ちそうにありませんっ……!






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