ギャップ的恋愛論





まああの格好じゃ、あんなもんかもしれない。






怜二モードであれされたんじゃ、さすがに引かれるだろうけど、キモダサ野郎がする分には何の違和感もない。






「神木ーっ!ボサッとするなーっ!」






あまりにも担任が『神木』を連呼するから、バレーをしてた女子全員が隣のコートを見て失笑している。






以前のあたしだったら、同じように馬鹿にしてたと思う。






でも今は、なんか複雑……






恥ずかしいような、切ないような……






「アイツ、マジで運動オンチなの?
それとも、あれもフリ?」





「さあ……。運動してるとこなんて知らないし。
でもあれがホントの実力だとしたら、ははっ、あたしもドン引きかも」






無理に笑ってみせたあたしの頭を、朋歌は黙って撫でてくれた。






コートの中の神木は、みんなのスピードについて行けないひ弱な男そのもので、めちゃくちゃ格好悪くてそれ以上見ていられなかった。






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