ギャップ的恋愛論
・見て見ぬ振りする女
「ち、遅刻するぅ!」
朝からバタバタ出掛ける準備をしていたあたしに、凌ちゃんが声をかけてきた。
「今日は競技場であるんだろ?腐るといけないし、弁当は後で届けてやるから」
「マジで?それ助かる!
やたら荷物が多くて困ってたんだ。
着いたら電話して?駐車場まで取りに行くし」
運動しやすいように、髪を久々にポニーテールにしながらキッチンに居る凌ちゃんに大声で伝えると、
「はいよぉ〜」
間延びしたような返事が返ってきた。
今日は、いよいよ球技大会。
全校生徒参加だから、会場は学校ではなく大きな競技場を借りて開催される。
おかげで、いつもより早く出なきゃいけないあたしは、朝から大忙しで。
「いってきま〜す」
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