ギャップ的恋愛論





「少しは意識してるんでしょ?」







「……う〜ん…」






朋歌の意地悪な質問に、あたしは黙り込む。







あの日向井君にコクられてから、廊下で会えば必ず話すようになったし、たまにお昼も一緒に過ごすようになっていた。






そんなあたし達を、意外な組み合わせだと周りが注目するようになって、いつの間にやら『付き合ってる』って噂が飛び交うようになったのも知っている。






でも実際は仲のいい友達状態で。







それ以上でも、それ以下でもない。






性格も明るい向井君と話すのは楽しいし、たまにドキドキもするけど、好きかと聞かれると返答に困ってしまう。







神木の時のような、心臓が飛び出すほどのドキドキ感を向井君に対して感じた事がないから。







「よくわかんない…」







これ、心からの本音。







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