ギャップ的恋愛論
「次の決勝戦で20ゴール決めたら、俺と……付き合ってくれないかな……?」
「えっ……」
「決勝、呉林さんのクラスとなんだ。
凄く強いチームなのはわかってる。だからってわけじゃないけど、願掛けっていうか、俺の精一杯の気持ちを見てもらいたいんだ。
……ダメ?」
一人で20ゴール……?
バスケなんてわからないあたしにも、それがどれだけ難しいものか理解できる。
それだけ、真剣ってこと……?
真っすぐ見つめてくる視線からも、向井君の決意が感じられた。
「………うん、わかった…」
知らぬ間に、あたしは小さく頷いていた。
それは雰囲気に流されたというか、気迫に押された形だったけど、自分なりに考えた末の返事だったと思う。
`