ギャップ的恋愛論
コート上で第3クォーターとやらが始まった時点で、バスケのメンバーは下に降りて行った。
その中に、もちろん神木の姿はない。
あたしの胸が、またチクンと痛んだ。
神木にあれだけ罵声を浴びせていた彼らも、本来は気さくでいい人ばかりなんだよね……。
その証拠に、負けてしまったあたし達を、「良く頑張ったね」って、温かく迎え入れてくれた。
その優しさを、少しでも神木に向けてくれていたら、もしかしたら今頃一緒にコートへと向かって行ってたかもしれない。
そう思うと、その去って行く背中を見送りながら、さらに切ない気持ちになってしまった。
`