ギャップ的恋愛論
明らかに不満げな表情の添島君が戻ってくる間、神木は黙々と制服の袖と裾を捲っている。
あたしのわずか2メートル先に居る神木。
相変わらずダサ眼鏡だけど、その姿は凄く凛々しく見えた。
やっぱり、神木が好き。
そんな気持ちが、あたしの胸いっぱいに広がっていく。
でも周りでは、そんな神木を中傷する声が後を絶たなかった。
「神木が出たら、勝つもんも勝てねぇよ」
「ってか、制服で出るわけ?バッカじゃないの?」
「………もう、止めてっ!!」
気づけば、あたしは神木を庇うように手を広げて叫んでいた。
`