ギャップ的恋愛論
あたしに対して本性剥き出しで喋る神木に、生徒どころか担任までも口をポカンと開けて見ている。
どっちって……
そんなの決まってる。
「決めて欲しくない!
お願い、向井君を全力で止めてっ!!」
やっと、ホントの気持ちを言えたあたし。
胸につかえていたモヤモヤが、一瞬で吹き飛んだ気分だった。
「わかった。任せろ」
それだけ言って、神木はコートへと足を進めた。
その後ろ姿は、頼りない猫背でもなく、あの自信に満ち溢れた怜二そのもので。
パチンッ−−
あたしの中で、何かが弾けた音がした。
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