ギャップ的恋愛論
・拒めない女
「ここでいいか?」
その声につられて顔を上げると、目の前には大人っぽい雰囲気のラブホがあって。
「ダ、ダメ……
もっとマニアックそうなとこ……」
建物を見上げながら、あたしはぽつりと不満を漏らす。
…………はっ!?
っていうか、あたし、なんで黙ってこんな場所に連れられて来てんのよ!!
やっと我に返って、足にグッと力を込めた。
「マニアック?なんだそれ……」
ぶつぶつ文句を言いながらも、男はまた気にせず歩き出そうとするけど、あたしが頑として動かないから、怪訝そうにまたこっちを振り返った。
「何だよ…?」
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