ギャップ的恋愛論
せっかくメイクはバッチリになったのに、さらにブルーになりながら教室に入ると、
「あっ!乙葉!」
待ってましたって顔した祐子が駆け寄って来るのが見えて、どっと気持ちが落ち込んだ。
ゔっ……
「お、おはよ……」
「『おはよ』じゃないわよ!なんでメールの返事くれなかったのよ?」
やっぱりそこ責めてきちゃう…?
ある程度予想はしてたといえ、こっちに向かってずんずん歩いてくる祐子の迫力に、思わず教壇の方へと後ずさる。
「ごめん、ごめん…
気づいたのが遅くってさ、もう家に帰ったあとだったんだよね…」
用意していた言い訳を並べて、「ははは…」と、愛想笑いを浮かべているあたしの耳に、
「クスッ……」
何処からか馬鹿にしたような笑い声が聞こえた気がして、あたしはつい祐子から視線を逸らして後ろを振り向いた。
`