ギャップ的恋愛論
・賭けにのる女
「そう!」
「違う!」
「絶対そうだって!」
「絶対違うって!」
お互い譲らないまま、かれこれ10分は経つ。
あたし達の間には、ケータイと入学式で撮った集合写真が無造作に転がっていて。
「アンタも頑固ねぇ、絶対これは神木だって」
「だから全然違うって!
怜二はあんな暗くないもんっ!」
その2つを見比べてどっちも神木だと言い張る朋歌に、あたしも必死で別人だと訴え続けた。
だって、あの神木だよ?
声すらほとんど聞いた事のないキモダサ野郎だよ?
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