雷鳴の夜
とはいえ。

私は5分もしないうちに休憩室を出る。

急に仮眠と言われても、眠くない時は案外睡眠はとれないものだ。

ましてや夜勤に備えて、日中のうちにたっぷり睡眠をとってきてしまっている。

寝付かれないのも当然だった。

「あら?」

ナースステーションを出て行く私に、先輩が声をかける。

「どこ行くの?」

「自動販売機で飲み物でも買ってきます。先輩もいりますか?」

「んー…私はいいわ」

カルテのチェックをしながら、先輩は笑う。

私は軽く頷いた後、ナースステーションを後にした。

…外はまだ、雷鳴が轟いていた…。

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