雷鳴の夜
「全く」

ヴィクターの話は続く。

「帝重工もよく受け入れる気になったもんだ。三池がどんな素性の持ち主なのかも知らずによ」

「素性?」

私は振り返った。

…話に食いついた私を嘲笑うかのように、ヴィクターがニヤリと笑う。

「あんた、『機関』って知ってるか?」

「『機関』?」

聞き慣れない名前だ。

「まぁ知らねぇのも無理はねぇ。一般人には知られてねえし、努めて存在の秘匿には力を入れていた連中だしな」

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