雷鳴の夜
4階、3階、2階。

全ての階の病室を見回りながら、1階へと降りてくる。

どうやら特に異常は見あたらなそうだ。

今夜は急患が運び込まれてくる事もなく、平和な夜。

私達夜勤のナースも、久し振りにノンビリする事が出来た。

このまま朝まで何も起こらなければいいのだけど。

ゆっくりと廊下を歩きながら。

「……」

ふと立ち止まる。

私の視線の先には、下り階段。

地下へと通じる階段だった。

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