雷鳴の夜
「あれ?」

闇の中。

私は思わず目を凝らす。

…最初は見間違いかと思ったけど、そうじゃない。

施錠が、開いていた。

いつも大きな南京錠で閉じられている、地下病棟へと続く鉄扉。

その扉の南京錠が、床に落ちていたのだ。

「……」

何だか、妙な好奇心に駆られる。

病院の誰一人として知らない、地下病棟。

その入り口が開いている。

一体誰が?

何の目的で?

それより…あの扉の先には、どんな光景が広がっているんだろう…。

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