雷鳴の夜
これ以上ここにいても実りはない。

私達は資料室を出た。

…成果があったとすれば、確かにこの地下病棟で『F計画』と呼ばれる何らかの実験が行われていたという事実だけ。

そしてその実験は、あの咆哮を上げた得体の知れない存在とも何か関係があるのだろうか…。

そう、この地下病棟には『いる』。

私の想像もつかないような、理解の範疇を超えた何かが存在するのだ。

その『何か』と遭遇した時、一体何が起こるのか…。

今はただ、その『何か』と鉢合わせない事を祈るのみだった。

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