雷鳴の夜
用のなくなった資料室を出る。

ふと。

「……」

私は場の空気が、先程までと何か違うような気がした。

…目に見えて何かが変わった訳じゃない。

言葉に表せるほどの変化が起きている訳じゃない。

ただこう、何というか…直感的に、何か雰囲気が変わったような…。

それを感じ取っているのは私だけなのだろうか。

「ねぇヴィク…」

言いかけて。

「っ!!」

私は背後に立つヴィクターの表情に恐怖した。

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