雷鳴の夜
と。

「小野幸羽(ゆきは)さん!」

突然大きな声で名前を呼ばれ、私は飛び上がるほどに驚いた。

振り向くと、階段の上に恰幅のいい中年女性が立っている。

婦長だ。

「貴女そんなとこで何をやってるの?見回りが終わったのなら早くナースステーションに戻っていらっしゃい!急患がないからって遊んでいる暇まではないのよ!」

ついていない。

おかしな好奇心に駆られたせいで、余計なお説教まで受ける羽目になってしまった。

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