紋白蝶
「竣吾っ。学校さぼるの?」


ものすげぇ作り笑い。気色ワリィ。


「ああ」


俺は髪をかいた。


「じゃああたしもさぼるしぃ。」


「なんで」


「竣吾と一緒にいたいのぉ」


情けない女。

可哀相な女。

俺はお前なんかと一緒にいたくないのぉ。


「傍にくんなよ」


舌打ちしながらつぶやいた。


「は?」


出た。こいつの口癖。


は。


は、ッて何だよ、は、て。


「お前は学校行け」


「なんでだしぃ。ウチだってさぼりたいだけだしぃ」


……勝手にしろ。


ブスが。


俺はお前が嫌いなんだよ。


俺にしつこく付きまとうんじゃねぇ、


あの女みてぇに。




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