紋白蝶
「お前?」


「ちぃがぁうぅ!ひどいよ竣吾ぉ!」


茜は俺の鞄を軽く叩いた。


いやいや、違わねえし。こいつしか思いつかねえし。


「あいつだよ。小倉咲耶。小学生の頃いじめられてたじゃん〜。今はそうでもないけどさぁ」


小倉咲耶…?


「…誰それ」


「え〜知らないの。地味でぇブスでぇ」


……お前にはブスなんて言われたくねーよ。


「小倉…」


俺はボソッとつぶやいた。


「まぁウチはハデなほうだけどね〜」


茜はちらっと俺を見る。


「お前はハデじゃなくてケバいだけ。」


俺は茜を睨んだ。


「はぁ!?ひっどぉ!小倉咲耶よりはハデですぅ〜!」


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