彼と彼女の1番星


「南ちゃんさ、スーパーまでの道のりわかるの?」


「昔住んでたので」


「そうなんだ、でもさ、そこ、工事して道新しくなったんだよ。そこで右」


「へぇ…」


「俺がいて、よかったよ」



…やっぱり懐かしい。ふんわり笑ったときの晴先輩の顔が懐かしくてほっとして、どきどきする。

どうして。



「あのさー…南ちゃんて一人暮らし? 両親、は…?」


「えと…、父と母はいません。わたし一人暮らしです」


「そう、俺も一人暮らし。親はいるけど…。ごめんね、察するべきだった」


「いえ…。ときどきは、思い出さなきゃ。思い出して、わたしは元気だよ。って…」


「ヨシヨシ」


「すいませ、わたし」


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