tears
しばらくして、1台の車が私達の前に停まった。
―ガラッ
「梨奈、ナナお待たせ~
乗って乗って~」
奈緒子が後部座席のドアを開けた。
「あっ、うん。よろしくお願いしまあす」
私とナナは車へ乗り込んだ。
後部座席には2人の男の人が奈緒子と座っていた。
「えーっと~、こっちの背が高い方の子がナナで、
髪が長い方が梨奈だよ」
奈緒子が紹介し始めた。
「運転してるのが、こーた先輩で
茶髪の方が直さんで
黒髪の方が結城さんだよ」
「よろしくな~。奈緒子ぉ、後ろ狭くない?奈緒子助手席乗れば?」
こーた先輩が後ろをみながら、奈緒子に聞いた。
奈緒子は目を輝かせながらも、
「えーっ、こーた先輩の隣り嫌だ~
でも、こーた先輩が寂しいなら乗ってあげてもいいよ」
奈緒子はこーた先輩が好きなんだと思った。
「奈緒子ちゃん、お願い~」
こーた先輩は奈緒子に笑顔で頼んだ。
「しょうがないなあ」
奈緒子は子犬がしっぽを振るように、助手席に移った。