tears
「ただいま~」
「あらっ、早かったのね。
今日は彼氏と会うから遅くなるとか言ってなかった?」
リビングで雑誌を読んでいたお母さんが、顔を見上げて言った。
「あ~、別れた。
ってか、フラれた的な…」
私は冷蔵庫の中を見ながら答えた。
「あらら~」
「まあ、ネクスト、ネクストってやつ?」
「そう」
基本私の家ではお母さんと恋バナなんて当たり前だ。
お母さんは私の恋愛事情をよく知っている。
「早くお風呂入りなさいね」
お母さんはそう言って、寝室へ向かって言った。