tears
「あるよ…。1回だけ」
ナナが遠くの方をみながら言った。
「まじ?どんな感じで?」
私は身を乗り出して聞いた。
「中学の時付き合ってた人がいて、最初は友達みたいな感じだったんだけど、告られて付き合って、フラれて、号泣…みたいな感じ。
最初は友達としかみれなくて、でもだんだん好きになっていって…
でも、その時には遅くて、ナナが本当に俺のこと好きか分からないって言われてさ…」
意外だった。ナナはかわいいし、そんなフラれることなんてないかと思っていた。
「好きだったんだね…」
私はうらやましい気持ちだった。
「まあね~、気付いたときには遅すぎたけどね」
ナナは笑って言った。
「あっ!もうこんな時間!犬の散歩行かないと
じゃぁ、梨奈また明日ねっ」
ナナは恥ずかしかったのか、公園の時計をみて、走って行ってしまった。