tears
出会い
6月上旬
「彼氏欲しいなあ~」
私は教室の窓から雲一つない空を見上げながら呟いた。
「この前別れたばっかりじゃん」
ナナが隣りの窓から空を見上げながら言った。
「でも、今はいらないや。
彼氏欲しいってゆうのが私の口癖なのぉ」
「ふーん」
女子高に通っている私たちには出会いがない。こんな会話は日常的だ。
「ナナ、梨奈っ
今度の日曜日ヒマ?」
『ヒマ~』
奈緒子が聞いてきた。
「よかったあ。今度の日曜日、バイトの先輩と遊園地行く約束してるんだけど、友達も連れて来いって言うから…
来てくれる?」
奈緒子が手を合わしながら、上目使いで聞いた。
「奈緒子の上目使いが可愛いから、いいよ~
梨奈も行くでしょ?」
ナナが背の低い奈緒子の頭をポンッとたたいた。
「もちろんだし。先輩って何歳なの?」
私は食いつき気味に聞いた。
「ありがとぉ。2コ上で今学生だよ~
じゃぁ、日曜日学校の前のコンビニに11時集合でいい?」
奈緒子が携帯をみながら約束した。
『OK~』