ぼくの 妹 姫
思っても みなかった
まさか
今、蕾が川に
飛び込もうとしてたなんて
「うん。行く
待ってて、お兄ちゃん
蕾、今すぐ行くから」
「蕾、今すぐは無理だろ
蕾のところからぼくのところまでは飛行機使わないと来れないよ」
「うん。でも今すぐ行く」
「わかった、わかった
叔父さんにはぼくから話しておくから…………」
思いつきで死のうとした妹
思いつきで妹を迎え入れるぼく
でも 蕾
ぼくは わかってるよ
思いつきなんかじゃないって
蕾
本当は疲れてるんだよな
生きていくことに
生きることが嫌になったと
自分で気がつかないほどに
蕾は辛いんだよな
わかるよ
だから 蕾
次に死のうと思ったなら
ぼくに言ってほしい
ぼくは蕾のためなら何でもしてあげるから
それでも
死にたいと思うのなら
いいよ
蕾を殺して ぼくも死ぬ