ぼくの 妹 姫
駅の近くのバスターミナルで
ベンチに座り 温かい缶コーヒーを握りしめてた
3月下旬
春とはまだ言えない
雪がまだ残る
北の町
蕾が来る
8年ぶりに逢う
あぁ、きっと 顔を見てもわからないだろうな
コロコロ両手で缶コーヒーを転がして
そわそわする気持ちを抑えきれない
蕾 蕾 蕾
蕾はいつだって小さな子供で
「お兄ちゃん」ってぼくを呼んで……………
「お兄ちゃん……デスか?」
後ろから
女の子の声