ぼくの 妹 姫
………嫌になる
もう一生 逢えないのに
私をつなぎ止めるのは
昔も今も そして未来も
お兄ちゃんだ
記憶の中のお兄ちゃんが
『蕾』
と私を呼ぶ
海へ繋がる
川の先
白い光が登って
全てを照らしていく
蕾が死んだら
それを知った
お兄ちゃんも死んじゃうね
どんなに離れても
二度と逢えなくても
私が死んだら
お兄ちゃんも死ぬ
そう確証できるくらい
私たちは繋がってる
欄干から
アスファルトの橋の上に降り
転がったパンプスを履いた
朝の光を見て
静かに涙が溢れた
始まったばかりの朝の中
私は日常に帰っていく