ぼくの 妹 姫
宙の予算は 少なかったし
結局、チェック柄のエプロンを買った
レジで店員サンに『プレゼントですか?』と訊かれ
恥ずかしそうに
うなずく宙の横顔は
私には ないモノで
床に視線を落とした
「ありがとうな」
買い物に付き合ったお礼に
カフェでお茶をおごってもらった
店の奥、窓際の二人掛けの席
向かい合い、ストローに口をつけ、マキアートを飲む宙を
じぃ~~~~~~っと見つめた
宙は 怪訝な顔で
「なんだよ?」
「あのさぁ………」
宙は どうして 私と友達になったの?
愛想は悪いし
キレたら何するか わからない事
私を押さえた宙なら知ってるでしょう?
フツーはヤバい奴だって
嫌うんじゃ…………
悶々と考えて でも どの言葉も口に出来ない
自分の思いを声に出す事に 慣れてない
宙は ため息ついて
「言いたい事があるなら
言ってもいいんだぞ?」
私の目を真っ直ぐ見て
「蕾ってさ、いつも何か我慢してない?」
我慢?
とっても意外な事を宙は言った