【掌編】さよなら、のち
「翔ちゃん、また泣いてるの?」

泣き虫の私の傍にいてくれる、男の子。

いつも優しく微笑んでくれる、男の子。

その優しい手が、大好きだった。

だのに。

もう、ぼんやりとしか思い出せない。
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