近すぎる距離
体育館から門のほうに一人で歩いていると、前から歩いてきた美少女とすれ違った。
…うわ、今の子めっちゃ可愛いかった。あんな子うちの学校におるんや〜、1年かなぁ??
そんなことを思いながら歩いていると、後ろで女の子の声がした。
「凌〜!!お疲れっ!!」
…え?凌??
その声のほうを反射的に振り向いてしまったあたしの目に飛び込んできたのは……
凌とさっきの美少女が仲よさげに話している光景だった。
―――凌の彼女。
あたしの頭にはその考えとさっきの光景がぐるぐると回っていた。
あたしはいつのまにかその場から走り出していた。