危険な二人
苦しい時の神頼みとは言ったもので、困難な状況にあるほど人は救いを求める。
俺もそうだった。
もうにっちもさっちもいかない、こんな状況にこそ救いの手が差し伸べられるのではないか、そういう期待が出てくるのだ。
もちろんそれが現実になることはない。そんなことは分かっているのだ。
越えてはいけない一線を、越えたくない一線を、誰かが救ってくれたら踏みとどまれる。
そんな気がしたのだ。
そう、気がしただけだとも。
結局俺は老婆から財布をかっぱらって逃げたんだ。
ほとぼりが冷めるまで近寄るまいと決心し、俺は西へ東へとねぐらを変えた。
奪った財布には三万円入っていたから、これであと三年は闘えると思ったものだ。
俺もそうだった。
もうにっちもさっちもいかない、こんな状況にこそ救いの手が差し伸べられるのではないか、そういう期待が出てくるのだ。
もちろんそれが現実になることはない。そんなことは分かっているのだ。
越えてはいけない一線を、越えたくない一線を、誰かが救ってくれたら踏みとどまれる。
そんな気がしたのだ。
そう、気がしただけだとも。
結局俺は老婆から財布をかっぱらって逃げたんだ。
ほとぼりが冷めるまで近寄るまいと決心し、俺は西へ東へとねぐらを変えた。
奪った財布には三万円入っていたから、これであと三年は闘えると思ったものだ。