危険な二人
久しぶりに会ったベルウッドは、以前と同じようにニコニコ顔で、久しぶりだなと話しかけてきた。

俺のことを憶えていてくれたのは、ちょっと嬉しかった。

俺は話もそこそこにワンカップを差し出し、髪を切ってくれと頼んだのだ。



ベルウッドに頭を預けながら、ここ最近の街の噂話を聞いた。

たった一年では大して変わりようがないが、このあたりにも子供が増えたらしい。

おかげで公園を寝床にしていたホームレスは追いやられ、昔のメンツを見かける事が少なくなったという。

そんな話を聞いていると、悲しいような、そうでもないような、不思議な感覚に襲われた。

色々と辛いことの多かったこの街だが、俺はやっぱりこの土地を愛していたのかもしれない。


「ようし、終わったぜえ」

ベルウッドの明るい声が頭上からする。

心なしか、伸び放題だった髪がなくなった分、音の通りがよくなったような気がした。
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